恵文社一乗寺店で1万円分の本を買って、遠藤珈琲店でのんびりした1日

恵文社一乗寺店 📗Book

今日は父と母の納骨法事のため会社を1日休んだ。

思っていたより時間が余ったので、ずっと行きたかった京都の独立系書店「恵文社一乗寺店」に行ってみることにした。本好き界隈ではレジェンドな本屋である。

おかげさまで転職先も決まり、心に余裕もできた。今日は1日ご褒美の日にしようと思い、本は1万円くらいまでなら買ってよいことにした。

https://www.keibunsha-store.com

オシャレな外観。ドアをそっと押して入ってみる。棚を眺めてすぐ、他の本屋さんとの違いが分かった。ここは、ただ本がたくさん並んでいる店ではない。

売れ筋の新刊や話題の本を探しやすく並べるというよりも、お店の人が本を一冊ずつ選び、棚全体でひとつの世界をつくっている。

街の大型書店ではあまり見かけない少し変わった本、美しい本、昔の本が、当たり前のような顔をして棚に並んでいる。

例えば、岩波文庫。普通の本屋さんだと、「岩波文庫」「講談社文庫」と出版社ごとにまとめて置かれていたり、売れ筋ではないものは置かれていなかったり。だが、ここではそれぞれのテーマに合うように、あまり見かけない岩波文庫のタイトルが、あちこちの棚に分散して置かれている。

棚を眺めているだけで、自分では検索すらできなかった世界に出会える。今日、この店の、この棚で出会ったからこそ欲しくなる本が多いのだ。

店に入って早々に、購入本が決まった。今回買ったのは、

『階級と「私たち」のゆくえ』
『みどりのみち ひかりのはな』
『宇宙遊星間旅行』

の3冊。

階級と「私たち」のゆくえ イギリス映画が照らす連帯の物語
河野真太郎 | 2026年04月18日頃発売 | 分断された社会で、「私たち」は成り立つのか?イギリス映画が描く階級の物語から、新しい連帯のかたちを探る。階級ではなく格差という言葉が選ばれることの多い…
みどりのみち ひかりのはな-恵文社一乗寺店 オンラインショップ
古い図鑑や雑誌の写真、使われなくなった道具などを素材に、アッサンブラージュやオブジェを制作する造形作家・勝本みつる。出版社エクリより、企画から十数年の時を経て、待望の作品集『みどりのみち ひかりのはな…
宇宙遊星間旅行
なかえよしを | 2014年07月31日頃発売

この3冊を抱えたまま、奥の方まで歩いてみる。あかん、これ以上しっかり見たらあかん。欲しくなってしまう。ここから先はさーっと棚の配置を確認するだけにしよう。他の棚をしっかり見るのは次に来た時の楽しみにする。

そして、買うと決めていたトートバッグはしっかりゲット。ここに買った本を入れてもらうんだ。

恵文社オリジナル エコバッグ 「KEIBUNSHA」-恵文社一乗寺店 オンラインショップ
恵文社オリジナルエコバッグ「本をかうなら恵文社」「本や良品、よろずそろえてます」に次ぐ、十数年ぶりのおニューなバッグ。当店アテリでの個展「愛犬と右のくつだけの世界に迷いこんだ」にあわせてイラストレータ…

合計11,220円…….。

いや、でも、私の少し前に会計をしていたお客さんからは、8万円とか3万円とかいう金額が聞こえていた。みんな、タガを外されてしまう。ここはそんな魔力を持った本屋なのだ。

早く….早く読みたい。そして今日はめちゃくちゃ暑いし、朝からあちこち歩いたので、休みたい。どこぞに良さげなカフェはないものか。

Googleマップの周辺検索で出てきたのが『遠藤珈琲店』だった。評判も上々で素敵なレコード音楽を聞かせてくれるという。

Instagram

指示された場所は「え?ここ?」と一瞬見過ごしそうな佇まい。店内を覗くと店主しかいない模様。なんだかちょっと入りにくい。でも、本を読みたい欲求と休みたい欲求が上回り、勇気を出して入ってみた。

割と無愛想な店主が、無愛想にメニューを置いていく。あまり選べるほどメニュー数もない。でもこれでいいと思えた。店内もとてもシンプル。必要な物、本当に好きな物しか置かない、ミニマリストの部屋のような雰囲気だった。

カフェオレとチーズケーキを頼み、レコードの音に包まれながら、さっそく『宇宙遊星間旅行』を読み始めた。

恵文社で立ち読みして、だいたい分かっていたけど、それでも思う。なんて素敵な世界観なんだろう。幻想的で、どこか懐かしく、少し不穏な、独特の空気。

ChatGPTに作家のエピソードを聞くと、なんと「ねずみくんのチョッキ」を生み出した中江嘉男・上野紀子夫妻による作品だという。

ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの絵本 1)
なかえ よしを | 1974年08月発売

さらに1981年に偕成社から初版が出て、その後に絶版となったけど、この世界観が忘れられないというファンの熱い声もあって、2014年7月にポプラ社から33年ぶりに復刊されたというエピソードも教えてくれた。

なんてことだろう。知らない世界が広がりすぎて、またAIと本屋の素敵さを思い知らされた。

本が売れない、町の本屋が減っているといわれる時代だけれど、恵文社一乗寺店を見ていると、本屋が生き残るためのひとつのお手本が、ここにあるように思えた。

店の人が本を選び、並べ、空間全体を編集することで、本屋は「本を買う場所」ではなく、「新しい世界を見つける場所」になる。そうなれば、本屋へ行くこと自体が目的になる。

私は近いうちに、また一乗寺へ行くと思う。そしてまた、まるで想像もつかない世界の本を見つけて、予定以上に買ってしまうのだろう。

今日は朝から父母を見送り、午後にたった3時間ほど書店やカフェを巡っただけなのに、すごい旅に出たような気分。

よい一日だった。

▼恵文社一乗寺店から遠藤珈琲店までの徒歩ルート(6分ほどでした)

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